社内で横領事件が発覚!横領した社員が行方不明に|会社の正しい対応

KW自分が経営している会社で横領事件が起きてしまったらどう対処していいかわからなくなってしまいますよね。横領の事実発覚だけでも焦ってしまうのに、横領したと思われる社員が逃亡して行方不明になったら、被害を受けた会社としては解決の糸口を見失ってしまうでしょう。

 

しかし、社員の逃亡にはいくつかのパターンがあるため、パターン別に正しく対処していけば行方不明になった社員を見つけ出し何かしらの対応を取ることが可能になります。

 

今回は、業務上横領をした社員が行方不明になった場合に、どのような対応をすれば良いのか、横領した社員が行方不明になる場合にはどのようなパターンがあるのか、正しく対応するためにはどういう点に注意しなければならないのかについて詳しく解説していきます。

 

 

横領問題と社員の行方不明は別問題として考えるとわかりやすい

横領が発覚した時に犯人と思われる社員が行方不明になっていると「横領した社員が失踪した!」と問題を1つにして考えてしまいがちですが、実はこの状態は【業務上横領の問題】と【社員の行方不明の問題】という二つの問題が混在している状態で、会社側は様々な対応についての判断がつきにくくなっています。

 

この二つの問題を同時に考えたり解決したりしようとするとうまくいかなくなってしまいますので、これらの問題は別問題として分けて考えていくといいでしょう。

 

横領した社員が行方不明になっているのには色々なパターンがあり、それぞれのパターンにおいて対応の方針や状況が変わってきます。

 

次の章から横領した社員が行方不明になるケースについて見ていきましょう。

 

 

横領した社員が行方不明になるのは3パターンある

横領した社員が行方不明になるのには、主に3つのケースがあります。今現在会社がおかれている状態がどのケースに当てはまるのか、まず確認してみてください。

 

 

確実に横領したことが発覚している社員が行方不明になるケース

確実に横領事件が会社で起こっていて、なおかつ誰が犯人かが確実にわかっていて証拠もある状態で、犯人が行方不明になっているケースです。

 

横領した証拠や犯人を特定するための証拠があるため、警察にも届出を出しやすく、警察も積極的に捜査して行方不明になっている社員を探し出すことが可能です。

 

このケースでは警察が積極的に動いてくれるため、比較的早く横領事件を解決することが期待できます。

 

―横領疑惑がかけられている社員が行方不明になるケース

横領被害があったという事実は確実で被害の証拠もあるけれど、特定の社員が犯人だという証拠はない状態で一社員が行方不明になっているケースです。

 

横領されたという被害の証拠はあるので警察に被害届を出すことはできますが、犯人を特定するための明確な証拠がないため、社員の身柄を確保することはできず、警察もあまり積極的には捜索しないでしょう。

 

警察が動いてくれないのであれば、探偵など民間の調査機関に依頼して捜索してもらうことが必要になってきます。

 

 

社員の行方不明と横領事件が必ずしも結びついていないケース          

横領の事実が発覚した前後に社員が行方不明となってしまい、その社員が横領をしたのかどうかがはっきりせず因果関係が明確でないケースです。

 

この場合は行方不明になっている社員を見つけ出し、問い正したら横領したという事実を認めたということも多いです。

 

横領事件が起きていて、行方不明になっている社員との関係がはっきりできていない場合はまず早急に行方不明になっている社員を探し出すことが先決です。このようなケースでは因果関係がはっきりできていないので警察はまず動いてくれないと思っておいたほうがいいでしょう。

 

まずは横領事件のことはいったん置いておき、行方不明になっている社員の人探し調査として探偵に相談するのが良いですね。

 

 

警察に届け出る場合のやり方と社員についての必要な情報

業務上横領が起こった事実と会社の社員が行方不明になってしまっているというのはどちらも警察に届け出るべき内容です。

 

ただし、「業務上横領の犯人と思われる社員が逃亡したから捜索してほしい」という方向で届け出をするのか、「業務上横領が会社で起きていて、このタイミングで行方不明となった社員がいるので捜索してほしい」という方向で届け出るのかでは大きな違いがあります。

 

警察に相談する際には会社が置かれている状況に合わせて対応していくことが必要です。

 

 

横領の犯人として届け出る場合

業務上横領の被害が明確になっていて、かつ横領をした社員がはっきりわかっていてその証拠もある場合は、警察に業務上横領の被害届を提出しましょう。

 

この場合は【行方不明になっている社員=業務上横領の犯人】という認識で警察は動きますので、警察は積極的に行方不明となっている社員の捜索を行ってくれます。

 

よりスムーズに捜索を開始してもらうために、業務上横領の被害の証拠や、行方不明になった直前の顔写真や身体的特徴なども合わせて伝えておくと良いでしょう。

 

 

行方不明者として届け出る場合

業務上横領の被害についてはっきりとした証拠がない場合でも、行方不明になった社員を単に行方不明者として警察に届け出て捜索を依頼することは可能です。

 

横領の犯人であるという証拠がないため、警察に犯人を捜索するという意味での行動はとってもらえないので前者のケースよりは対応が遅くなってしまいます。

 

ただ、行方不明となっている原因の1つとして業務上横領の犯人である可能性があり、逃げるために行方不明になっている可能性があることは伝えておきましょう。この事実を伝えておくことで行方不明届を受理してもらいやすくなります。

 

証拠を提出できなかったとしても、業務上横領が発覚している事実やこれまでにわかっていること、行方不明になっている社員が会社でどのような業務をしていてなぜ疑わしいのかという事実関係をきちんと話しておきましょう。

 

 

警察に届け出る場合に必要な情報

横領の犯人として届け出る場合も行方不明者として届け出る場合も、行方不明になっている社員を探し出すための情報は必要です。

 

具体的には

・行方不明になっている社員の顔写真(複数枚あればなおよい)

・年齢、性別、生年月日など基本的な情報

・身長、体重、髪型などの身体的特徴

・行方がわからなくなる直前についてのその社員の気になる行動

・行方不明になっている社員のプライベートな人間関係

・行方不明になっている社員の会社での立ち位置や普段の業務内容

などです。

 

他にもその社員のSNSのアカウントがわかっていれば警察に伝えておくと良いでしょう。

 

 

横領問題を解決するためには横領の証拠と行方不明者の居場所の情報が必要

業務上横領問題を根本から解決するためには、2種類の決定的な証拠と行方不明になっている社員の居場所についての情報が必要不可欠です。

 

この章で詳しく見ていきましょう。

 

 

解決に必要な2種類の決定的な証拠

横領問題について必要となる証拠は2種類です。

 

・業務上横領が行われたことを立証するための証拠

・業務上横領が誰によって行われたかを立証するための証拠

 

11つ目は横領被害の事実そのものに加えて、いくらの被害額が出ているのかも調べておいてください。

 

22つ目については、行方不明になっている社員が犯人だと決めつけて調査を行うよりも共犯がまだ社内にいることを踏まえて慎重に行っていってください。

 

どちらの証拠を掴んでいくうえでも社内の人間だけでは時間も労力も余計にかかってしまいますし、社内の他の社員たちに怪しまれて不安をあおってしまう可能性がありますので、できれば調査のプロである探偵に証拠収集を依頼するのがお勧めです。

 

なお、疑いのある社員が行方不明になっていない場合には、疑わしい社員の行動を見張りつつ証拠集めを進めていけるのですが、社員が行方不明になっている場合には、証拠集めと同時に社員の居場所探しも進めていかなければいけません。

 

社員を探し出す上での方法としては次の項目でお伝えしていきます。

 

 

行方不明になった社員の居場所を探す方法

行方不明になっている社員を探す具体的な方法は以下のような行動です。

 

・行方不明になっている社員の普段の行動範囲を探す

・行方不明になっている社員の社内外の交友関係を調べる

・銀行のATMやカードの引き落としがないかを調べる

・行方不明になっている社員のSNSアカウントや裏アカウントを探す

・公共交通機関の予約がないかを調べる

・ホテルやウィークリーマンションなどの予約をしていないか調べる

・海外に逃げ出していないかを調べる

 

素人でもできそうなものもあるのですが、このような調査の大半は普段やったことがない人にはかなり難しく、時間も手間も余計にかかってしまうでしょう。

 

また、やり方をミスしてしまうと逃げている本人に捜索している方法がバレてしまい先を読まれて逃げられてしまう可能性や協力者がいる場合は犯人に連絡されて逃げる手助けをされてしまう可能性があります。

 

犯人に逃げられてしまうと、せっかく横領の証拠や犯人であるという証拠を集めても犯人を訴えることが出来なくなってしまいます。

 

横領の証拠や犯人の証拠集めのそうですが、行方不明になっている社員の捜索は調査のプロである探偵に依頼するのが最も効果的でしょう。証拠集めも逃亡した社員の行方調査も時間との戦いになりますので、社内の人間だけで何とかしようとせず、探偵に相談して効率よく進めていくことがお勧めです。

 

参考サイト:裏アカは人探しに使える!裏アカ特定法と裏アカで探せない場合の相談先

 

 

横領した社員が行方不明になったときの対応の注意点

横領した社員が行方不明になってしまっている状況は、会社側にとって焦りを感じる状態ですし、早急になんとかしなければと対応を急いでしまうかと思いますが、早く解決しようと慎重に判断せず思いのままに行動してしまうと、せっかくのチャンスを逃したり新たな問題を招いてしまったりというリスクが出てきます。

 

横領した社員が行方不明になってしまった場合の対応において注意すべき点はどのようなことなのでしょうか。

 

 

聞き込みや社内調査は内密に進める

聞き込み調査や社内調査は大々的に行わず、内密に進めていくというのが一つ目の注意点です。

 

横領問題で会社側が一番気をつけるべきなのは、行方不明になって逃げている社員と今でもつながっているかもしれない社内に留まっている社員です。

 

どうしても横領事件が起きてしまい、犯人の行方がわからなくなっていると、逃げた社員にばかり注意が行ってしまいますが、逃げた社員と繋がりがある社内の人間の行動にも注意が必要です。逃げた社員にこちらの情報が漏れてしまいさらに見つけにくいように逃げられてしまう恐れがあるのです。

 

そのため、横領事件を起こして逃げている社員を必死で探し出すあまり、社内で大々的な聞き込み調査を行なったり、社内であからさまな証拠探しを行ったりすると、逃げた社員と繋がっている社内の人間からこちらの作戦や情報が漏れる可能性が高くなってしまうのです。

 

大々的に聞き込み調査などを行ってしまうと、逃げた社員が余計に捕まらなくなってしまうリスクが増えるだけでなく、通常の業務に支障をきたしたり、社内の和が乱れてしまったりという別の問題も生まれてしまいかねません。

 

犯人やその協力者に気づかれないように調査を進めていくことが大切なので、自力で難しそうだと判断したらすぐに探偵に相談することが重要です。

 

 

確実な証拠がない段階では横領の件は伏せておく

行方不明になっている社員が横領事件を起こしたという確実な証拠がある場合は別ですが、確固たる証拠がないのであれば、逃げた社員を業務上横領の犯人と断定して社内で話をするのは大変危険ですので絶対に辞めましょう。

 

証拠がないまま行方不明になっている社員を犯人だと断言してしまうと、万が一その社員が犯人でなかった場合に名誉毀損で訴えられる可能性が出てきます。

 

犯人であるという証拠がない場合にはできるだけ横領の件は伏せておき、あくまで「行方不明になっている社員を探している」という建前にしておくようにしてください。

 

 

行方不明になっている社員の捜索を探偵に依頼する

横領事件を起こして逃げるために行方不明になっている社員を探すことは、皆さんが思っている以上に難易度が高いです。

 

「ちょっと嫌なことがあったから失踪する」

「夫婦喧嘩したから家出する」

というようなケースでは手掛かりが残っている場合が多く、探し出すのはそれほど難しくはありませんが、横領事件を起こした犯人が逃げている場合、「何が何でも見つからないようにしなければ」と考えて行方不明になっているため、可能な限り手掛かりは残さず逃げているでしょう。

 

そのため、捜索が難航したり必要以上に捜索に時間がかかったりすることも珍しくありません。

 

もし、自力で探してみても全く手掛かりすら掴めないような場合や、自力での捜索に限界があると感じた場合、横領の確実な証拠がなかなか掴めない場合は出来るだけ早く探偵事務所に相談してみることをお勧めします。

 

 

まとめ

自分の会社でまさか横領が起きるなんてはじめは誰もが信じられないと思います。

 

しかし、被害金額の多い少ないはあるにせよ、横領事件はどこの会社でも起こりうることです。大切なのは、横領に気が付いた時にできるだけ早く対応していくことです。

 

また、犯人と思われる社員が行方不明になっている場合、横領事件と行方不明問題は別物として考えて対応を進めていくほうがスムーズでしょう。

 

横領の証拠集めも行方不明調査も自力ではなかなか難しいと思いますので、ぜひプロの探偵を頼ってみてくださいね。