インターネットがあれば実際の店舗に出向かなくてもショッピングが楽しめるため、コロナ禍においてネットショッピングを利用している人は年代問わず増えています。 しかし、手軽で便利なはずのインターネット通販ですが、油断しているとネット通販詐欺の被害に遭ってしまうリスクもあるのです。
今回は、インターネット通販詐欺サイトの特徴や実際にあった被害事例、そしてインターネット通販詐欺に遭わないために注意しておくべきポイントについてお伝えしていきます。
インターネット通販詐欺でよくあるトラブル事例
インターネット通販詐欺でよくあるトラブルは以下のような事例です。
「インターネットサイトでマリンスポーツの道具を購入したのに、商品がいつまで経っても発送されません。不審に思いお店の電話番号を検索してみると、詐欺サイトであるという書き込みを発見しました。」
「1か月も前にインターネットサイトで購入したブランドバッグがいまだに届かず発送されたという連絡もないので、販売元に連絡してみたのですが、連絡が取れなくなってしまっています。ブランドバッグにしては相場よりもかなり安かったので、詐欺に遭ったのだと感じました。」
「ずっと欲しかったスニーカーを注文し、代金を振り込んだところ商品自体は届いたのですが、中国から届いたようで、明らかに粗雑な作りでした。写真の情報とはまったく違い、ニセモノだとわかったので販売元に連絡しようとしましたが、電話番号がなくメールアドレスのみでした。ダメ元でメールは送ってみたのですが、一向に返信が来ず、やはり詐欺に遭ったのだとわかりました。」
このような被害の事例が多く寄せられています。インターネット通販詐欺はネット通販利用者が増えるごとに増してきていますが、手口が似ているので注意さえしていれば未然に防ぐことも可能です。 以下で詐欺サイトの可能性のあるサイトの特徴などを見ていきましょう。
詐欺サイトの可能性がある通販サイトの特徴
インターネット通販詐欺はいろいろな商品を餌にしていて、誰もが被害にあう可能性を持っていますが、ネット通販詐欺の基本的な手口は似通っています。 なかなか手に入らないレアなものや、人気の商品を「激安で販売!」と煽って、お金だけ振り込ませて商品を送らずに姿をくらますのがネット通販詐欺の手口です。
そしてネット通販詐欺を行っているサイトにはいくつか共通する特徴がありますので、それを把握しておくことで被害を予防することができます。 ここでは、ネット通販詐欺サイトの特徴について1つ1つ見ていきましょう。
URLが不自然
本来の正規のショップであればURLがショップの名前になっていたり、会社名が入っていたりします。そこにはサイト運営者の想いが込められているからです。
しかし、詐欺師が作るサイトは詐欺に成功したらすぐにサイトを撤退して無効にするため、不自然にアルファベットを乱雑に並べるだけのケースが多いのです。 URLに違和感を持ったらそのサイトからの購入は辞めましょう。
極端に商品が値引きされている
Amazonや楽天などの大手ネットショップで販売している商品より極端に安く商品を販売していたら、詐欺サイトの可能性があります。 通常の心理であれば、「こんなに安いのは怪しい」と警戒できますが、どうしても欲しい商品だったり、普段は高すぎて買えない商品だったりすると、「こんなに安いの!?」「今買わないと損かも?」と錯覚してしまい、その詐欺サイトから商品を買おうかと考え始めてしまいます。
たとえ、その金額が異様なまでに安すぎたとしても「自分はこのサイトを見つけてラッキーなんだ!」と、商品を買うことばかりに集中してしまい詐欺業者にすっかりだまされてしまうのです。 販売されている商品があまりにも相場よりも安い場合、簡単に信用せずに、大手のAmazonや楽天のサイトと比較して安すぎると感じたら「もしかして、詐欺かも……」と疑ってかかるのが詐欺被害防止につながります。
他有名サイトでは売り切れなのに在庫がある
人気の商品はどこのサイトでも売り切れになってしまうことがよくあります。同時期に他の有名ショッピングサイトで売り切れになっているのに、他のサイトよりも低い価格設定で在庫がのこっていると広告しているサイトの場合、明らかにおかしいですよね。
「欲しかった商品が手に入るー!」と安易に喜ぶのではなく、本当にそのサイトが信用できるのか、なぜ在庫があるのかを考えていけば、詐欺サイトかどうかの判断がつくでしょう。
サイト内に特商法の表記がない
特定商取引法とは、消費者トラブルが生じやすい取引を対象にした法律で、この法律によって事業者の違法行為を防止し、消費者の利益を守ることを目的としています。
特に消費者トラブルが起きやすいとされるインターネット通信販売はサイト上に「特定商取引に関する表示」を掲載する義務がありますので、これが守られていないサイトであればそこから商品を購入するのは避けるべきです。
住所・連絡先・会社名・代表者名がサイトに書かれていない
インターネット通販を行うサイトには最低でも「会社名」「住所」「電話番号」「代表者名」の記載が必要とされていますが、それらの記載がない場合は、特定商取引法を守る意志がないので、ほぼ確実に詐欺サイトだと思って間違いありません。
ただ、住所や電話番号などがすべてデタラメに書かれていることもありますので、そのサイトから初めて商品を購入する場合は、住所や電話番号が実在するのか調べてみるのも必要でしょう。
支払い方法が銀行振込のみ
インターネット通販詐欺を働く詐欺師は振り込ませて逃げるというスタイルをとっていることが多いので、銀行振込による前払いしか受け付けていないサイトの場合は要注意です。 カード決済は後から返金処理ができてしまうため、詐欺師にとっては都合が悪く、あまりカード決済で騙すことはありません。
ただ、最近ではダミーでカード決済可能と表示し、システムエラーでカードが使えないと表示して振り込みに誘導する悪質なケースもあります。
入金先が個人口座
法人口座ではなく、個人口座に振り込ませようとする場合は、詐欺師の口座である可能性が高いです。商品を仕入れて販売するような会社なのに、法人口座を持っていないネット通販業者は、怪しいと言わざるを得ません。 もし、そのほかの点では怪しい点がない場合は、個人口座名や口座番号でネット検索すると、詐欺被害がほかにも出ていないかどうかがわかります。
商品の広告が派手すぎる
「気に入らなければ全額返金します!」 「限定○○個!このチャンスを逃すと、半年先まで予約待ち!」 など、広告が派手すぎる場合も要注意です。 「今すぐに商品を購入しなければ損をする!」とユーザーに思い込ませ、強引に商品を購入させようとする詐欺サイトも多く存在します。
またサイト上にカウントダウンが設置されていてユーザーをあおって冷静さを失わせる手口もありますので、詐欺サイトの可能性を考えて冷静に判断するようにしてください。
機械翻訳したような不自然な日本語
「3日と5日!早く届く!」「送料をあなたが払うことはありません。」など、機械で翻訳したような不自然な日本語が使われているような場合、海外の詐欺グループが翻訳サイトを使いながら偽のショッピングサイトを作っている場合もあります。商品説明や返品方法の説明などがおかしな文章になっている場合は注意したほうがいいでしょう。
サイトに不自然なフォントが混ざっている
詐欺サイトを運営しているのが外人であるケースはとても多く、中でも中国人と韓国人が詐欺サイトを運営していることは非常に多く見られます。 そのため、サイトの作りが荒かったり詰めが甘かったりすることがあるので、以下のような点が見受けられたら詐欺サイトである可能性を疑ってください。
・文章の中に旧字体の漢字が混ざっている
・文字のフォントに統一感がなく不自然
・色使いなどデザインがダサい
・全体的にサイトの作りが雑
注文後のメールも不自然な日本語
サイト内だけでなく、注文後のメールにも不自然な日本語が混ざっている場合、中国人や韓国人の詐欺グループが翻訳機械を使って返信文面を書いている場合があります。 今は日本でほとんど使われていないような旧字体が用いられているケースも要注意です。
少しでもメールのやりとりで不自然を感じたら、お金を振り込むのをストップしてそのサイトについて他に詐欺被害がないかどうかを調べるようにしてください。
インターネット通販詐欺に遭わないために注意すべきポイント
インターネット通販詐欺でお金をだまし取られてしまうと、なかなか取り返すことが難しいケースが多いです。 そのため、詐欺被害に遭わないようにネット通販を利用する際は十分に注意するようにしてください。
「うまい話」に警戒する
インターネット通販詐欺に限らず。詐欺に遭ってしまうパターンとして「うまい話」を信用して乗ってしまうことが大きな原因です。 在庫がなく手に入らないような商品が手に入る、高くて手が出せなかった商品が安く売っているなど、「うまい話」には、くれぐれも用心してください。
販売元の情報を確認しておく
販売元の住所や連絡先が実在するかどうか、販売元についての他の利用者の口コミなど事前に販売元についての情報をしっかりと確認しましょう。
なりすましのサイトではないか慎重に判断する
被害者たちに信用してもらい騙しやすくするために、amazonや楽天などの有名な大手通販サイトとほぼ同じようなサイトを作って詐欺を働くという手口が最近増えてきています。 URLなどの細かい部分にも注目してなりすましのサイトではないかどうか慎重に判断するようにしてください。
保護されたサイトかどうかチェックする
暗号化によってセキュリティ性が確保されているサイトは、URLが「https」から始まっています。もしサイトのURLが「http」から始まっていたら、警戒したほうがいいですね。 httpsから始まっていなくても鍵マークが表示されていれば保護されているということなので、その点でも確認してみてください。
銀行振込のみの支払い方法に注意する
詐欺サイトの場合は、詐欺師が逃げ切るために銀行振込のみでの支払いを指定してくることが多いです。 そのため、振込のみでの支払い方法を指定してくるサイトでは商品を買わないようにするのが安全です。
サイトやメールに不自然な日本語がないかチェックする
何度もお伝えしていますが、ネット通販詐欺では中国人や韓国人などの外国の詐欺グループが関与していることが多く、日本語の使い方に不自然な点が目立つケースが多く見られます。 翻訳機械を使ったような不自然な日本語であったり、旧字体の漢字が使われていたりする場合は詐欺サイトであることを疑って商品購入をとどまったほうがいいです。
万が一インターネット通販詐欺に遭ってしまったら・・・
注意していても、時にはインターネット通販詐欺被害に遭ってしまうこともあるでしょう。もし、詐欺に遭ったとわかったら、どこに相談するのがいいのでしょうか。
警察に相談する
詐欺被害に遭ったとわかったらまずは警察に相談し、被害届を出しましょう。 事件として扱われれば「振り込め詐欺救済法」の対象となり、被害金額を返してもらえる可能性があります。 被害届を出す際には、詐欺被害の経緯や商品購入の際のメールのやりとり、振り込みの控えなどを準備しておくとスムーズです。
被害届が受理されれば、銀行側が犯人の口座を凍結できるようになりますし、結果的に被害のお金を取り戻せる可能性もあります。少額だからと泣き寝入りはしないようにしてください。
銀行に連絡する
警察に被害届を出したら、次は銀行に相談してください。犯罪利用された口座を凍結してもらい、そこに残っているお金があれば被害者へ配分されます。 詐欺の犯人が口座からお金を引き出してしまう前に、素早く行動して口座を凍結することが重要になります。
国民生活センターに相談する
ネット通販詐欺被害に遭ってしまった際には、国民生活センターに相談することもできます。被害の救済に関してのあらゆる相談を受け付けてくれますので、警察、銀行に相談してからこちらの相談窓口にも連絡するといいでしょう。 国民生活センターは局番なしの「188」で電話相談を受けることができますし日本全国に相談窓口があります。
まとめ|警察に被害届を受理してもらうためには証拠を集める
ネット通販詐欺の被害に遭った場合、お金を取り戻すためには相手の口座を凍結するという方法が一番返金される可能性が高くなります。 そのためには、素早く警察や銀行へ連絡できるかどうかが肝になります。
ただ、被害の証拠がなかったり、事件として見てもらえなかったりすると、警察は被害届を受理してくれない可能性があります。警察に事件として動いてもらうためには詐欺被害の証拠をしっかりと集めておくことが重要です。 詐欺に遭った人たちが泣き寝入りすることで詐欺グループの犯行が横行してしまいますので、詐欺に遭わないように慎重にネット通販を利用するとともに、泣き寝入りはしないようにしてください。