社員から役員に昇進するときや、外部から役員候補をヘッドハンティングするときなど、本当にその人物が役員に適しているかどうか不安になりますよね。役員として採用してから問題のある社員だということがわかったら、大きな問題になります。
そこで今回は、役員の身元調査を実施する必要性や、実施すべきタイミング、そして身元調査で何がわかるのかを解説していきます。また、費用の相場や費用がどうやって決まるのかも見ていきます。 役員の身元調査を検討している経営者の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
役員昇進時に身元調査をする必要性とは
最近では、会社になんらかの問題が発生したらSNSなどですぐに拡散されてしまいますよね。会社の役員が問題を起こしたりしたら、すぐに広まって会社のイメージダウンにつながることは避けられないでしょう。
会社のイメージダウンになると、結果的に業績の悪化につながりますし、最悪の場合倒産の危機にも追い込まれてしまいます。 そのため、役員にするにあたって何か問題を抱えていないか、その人物が本当に役員にふさわしい人物なのか、などを探偵に調査してもらう必要があるのです。
役員の身元調査を実施するタイミング
会社を守るために、役員の身元調査が必要であることはお伝えしましたが、どのようなタイミングで身元調査を依頼すればいいのでしょう。
役員候補を外部からヘッドハンティングするとき
役員を選ぶ際、社内に適しているといえる社員がいない場合、外部からヘッドハンティングしてくることも多いです。ヘッドハンティングの会社に頼んで候補を選出してもらうと思いますが、職務経歴書や実績だけを見てもわからない問題もあります。
たとえば、多額の借金を抱えていたり、ギャンブル依存症だったり、パワハラやセクハラを繰り返す人物だったり、書類からだけではわからないことは多いのです。 外部からヘッドハンティングする場合、候補者の身元調査を実施するのがベストです。
社員が役員に昇進するとき
すでに会社にいる社員が役員に昇進する際も、身元調査を行うべきタイミングです。すでにどのような人物かわかっているかとは思いますが、見えないところで業務をサボる癖がないか、社外での素行は問題ないか、情報漏洩や横領などの犯罪行為は犯していないかなど、後々分かったら問題になるようなことがないかを調べておくことは重要です。そのほうが役員昇進後も安心できるでしょう。
役員の悪い評判が出たとき
すでに役員として働いている社員の悪い評判がたったときも身元調査を行うべきときです。 ひがみややっかみで悪い評判を立てられることももちろんありますが、あまりにも悪い評判が多かったり、内容が具体的すぎたりする場合は、念のために身元調査を行っておいたほうが安心です。
役員の身元調査で何がわかる?
役員に対して身元調査を行ったらどのようなことが判明するのでしょうか。
反社会的勢力とのつながりがないか
反社会的勢力とつながっていた場合、特に役員というポジションであれば大きな問題につながります。 役員が一人でも反社会的勢力とつながりを持っていると会社全体の信用問題にもつながりますので、事前に調べておくことが重要です。
業務を怠ったことはないか
表面的な評判や実績は良くても、見えないところで業務をサボる癖がある社員もいます。そんな社員には役員の立場を任せるのは不安ですよね。 業務中に仕事をサボることはないかなども調べておくといいでしょう。
犯罪行為に関わっていないか
身元調査を行うことで、犯罪行為に関わっていないかどうか、過去に犯罪歴がないかどうかを調べることができます。 会社の役員が犯罪行為に関わっていたり、過去に犯罪歴があったりすれば会社の信用に関わりますので、しっかりと調べておきましょう。
社外での素行はどうか
役員候補にまでなる社員や外部からヘッドハンティングするくらいの人物は社内での評判はよく、実績もいいでしょう。 しかし、社外で素行が良いかどうかは判断しにくいと思います。役員の身元調査を行えば、社外での素行がいいかどうかも調べることが可能です。
多額の借金はないか
役員候補の人物に実は多額の借金があったというケースもあります。特にギャンブル依存症だと借金を抱えていることが多いため、事前に調べることが重要です。 万が一闇金融から借金していると会社に取り立てにくるリスクもあり、そうなれば大問題になってしまうでしょう。
前職での評判
役員候補の人物が社外からのヘッドハンティングの場合や、中途採用で採用した人物の場合、前職での評判も調べることができます。 採用する際に履歴書や職務経歴書を出してもらってはいると思いますが、前職での評判までは身元調査をしなければわからないでしょう。
前職の退職理由
前職での評判と同時に、前職を退職した理由についても身元調査をすればわかります。 万が一、退職理由が本人のミスや問題行動によるものだとしたら、役員への登用は避けたほうが安全だと言えます。
身元調査を探偵に依頼したときの費用相場
役員の身元調査をすることを検討する際、その費用についても気になるところだと思います。 探偵によっては費用を事前にしっかりと教えてくれないところもありますが、そのような事務所はあまり信用できないので、ホームページや問い合わせの電話、無料相談の際に細かい部分まで料金を提示する探偵を選ぶようにすると安心ですね。
費用相場
多くの探偵事務所では、パックプランと時間料金プランの料金プランを用意していることが多いです。
時間料金プランはかかった時間に対して料金を支払うプランなので、短期での調査で終わる場合はお得になります。反対に、調査にかかる時間が長くなりそうな場合はパックプランを選ぶほうがお得になります。
費用の相場は、パックプランの場合15日間の調査で40万円から80万円ほどです。時間料金プランの場合は1時間1万円から3万円ほどです。 自分の会社で行いたい身元調査がどのくらいの日数で終わりそうなのか、探偵と相談しながらプランを決めるといいですね。
費用はどうやって決まるのか
費用相場についてご紹介しましたが、かなり費用に差があると感じたのではないでしょうか。 身元調査の料金は、調査にあたる調査員の人数や使う車の台数、使う機材の種類などによって変わってきます。
また、探偵事務所が複数の支社を抱えていたり、宣伝広告費を多くかけていたりする場合も料金も高くなる傾向にあります。 費用を少しでも下げるためには、全てを探偵任せにするのではなく、依頼者側も調べたい役員についての情報収集に協力することが重要なポイントです。
参考記事:企業調査・信用調査の費用はいくら?料金相場と費用を抑えるコツを徹底解説
身元調査には個人情報保護法による制約がある
探偵に身元調査を依頼したからと言って、すべての情報が手に入るというわけではありません。個人情報保護法が施行されたことによって、探偵の身元調査はそれまでより多くの制約を受けることになってしまいました。身元調査で個人情報を得るために不正な手段を使ってはいけないとされています。
そのため、盗聴器や盗撮機器を使ってプライベートを探ったり、調査対象者の預貯金残高や財産の額を調べたりすることもできないのです。
役員の身元調査は信頼できる探偵に依頼|探偵の選び方のコツ
役員の身元調査をすることはとても重要なことですし、会社を守るうえで欠かせない調査の一つと言えます。 ただし、どの探偵に依頼しても一緒かというとそうではありません。やはり身元調査を依頼するのであれば信頼できる探偵に依頼したいですよね。この章では、失敗しない探偵選びのコツをご紹介していきます。
料金プランの説明が明瞭でわかりやすい
調査を依頼するうえで、料金は重要な検討材料の一つですよね。その料金について、いくらで調査してくれるのか、どういう場合に追加料金が発生するのか、諸経費は含まれるのかなどの説明がちゃんとあり、わかりやすいかどうかは選ぶうえでしっかりと見ておくべきポイントです。
誇大広告をしていない
探偵をインターネットで検索していると、ホームページでいろいろな宣伝文句を見かけると思います。
その中に
「絶対調査を成功させます!」
「業界最安値」
「満足度NO1」
「満足度100%」
などの誇大広告をしている探偵事務所はあまり信頼できません。 世の中に「絶対」や「100%」と言い切れることはないため、そのような誇大広告をしている事務所に依頼するのは避けたほうがいいでしょう。
契約書にクーリングオフの説明がある
クーリングオフとは、一度契約の申し込みや契約の締結をした場合であっても、考え直して、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度のことを言います。
契約の際、クーリングオフに関する内容を記載した契約書なのかどうか、また、依頼者に対してクーリングオフの説明がしっかりとなされているかどうかもチェックするべきポイントです。
強引な営業をしてこない
探偵も商売ですから、少なからず営業はしてきます。「ぜひうちの事務所にお任せください」などと営業をかけてくることもあるでしょう。 しかし、中には契約するまで帰さない!という気迫で強引な営業をしてくる探偵もいます。そのような強引な営業をする事務所は悪徳探偵である可能性が高いため、絶対に無理に契約しないようにしてください。
まとめ
身元調査とは、安心を得るための調査とも言えます。役員を登用する際、新しく外部からヘッドハンティングする際に、安心して一緒に仕事ができるのか、安心して役員の立場を任せられるのかを判断する材料にできます。
近年は特に、会社に万が一、悪い評判が立った時にすぐにSNSなどで拡散されてしまうため、役員や社員の身元調査を行う会社様が増えてきています。 会社を守り、トラブルを回避するためにもぜひ役員の身元調査をご検討いただければと思います。