新型コロナウイルスの影響で経営が悪化してしまい倒産する会社は後を絶ちませんが、どこか他人事のように感じ、まさか自分の会社の取引先が倒産してしまうなんて考えてもみないのではないでしょうか。

 

まして、取引先が倒産して社長が夜逃げしてしまったら、どう対処していいかわからなくなってしまいますよね。

 

今回は、取引先が倒産して夜逃げされてしまったときに売掛金の回収ができるのか、売掛金の回収にはどのような手段があるのか、そして夜逃げされる前に対処できるよう倒産の前兆についてまとめていきます。

 

この取引先、倒産して夜逃げする可能性大!倒産の前兆とは

景気が悪くなる一方の現代では、取引先が倒産することは珍しくありません。ですが、倒産して夜逃げされてしまうと、取引をしていた側としてはかなり面倒なことになってしまいますし、大きな損害も出てしまいます。

 

そこで、倒産する会社の特徴や前兆を把握しておくことで、夜逃げされる前に対処できるよう取引先を観察しておくようにしましょう。

 

役員が辞めていく

会社の役員は会社の経営状況などあらゆる内部事情に精通しています。 そのため、会社の経営状態が良くないと把握している役員たちは、このまま会社がつぶれると自分にもデメリットが大きくなると判断して、倒産する前に辞めてしまいます。

 

取引先の役員たちが次々と辞めていっている場合は、取引先の倒産のカウントダウンが始まっていると考えていいでしょう。

 

経理担当が辞めていく

倒産しそうであることを表向きは隠せていても、裏では取引先への支払や社員たちへの給与の支払のために経理担当者が奔走している状態になっています。

 

そのため、会社の金銭的な事情を把握できる経理部門の従業員は、ほかの部署の従業員たちよりも会社が倒産する可能性を早く察知することができるため、倒産する前に会社を去ろうとする従業員も出てくるでしょう。 会社役員同様、経理担当者が辞めていっている場合も注意が必要です。

 

社長が社内にいる日が少なくなる

倒産の危機が迫っている会社の社長は優雅に社内にいてコーヒーを飲んでいる余裕はありません。

 

金融機関で新規借入や借入金の返済方法の交渉を行ったり、取引先と今後の取引内容や支払い方法の見直しについて話し合ったりしなければいけません。

 

取引先に出向いた時にいつもいるはずの社長がいなかったり、取引先に電話してもいつも社長が離席していると言われたりした場合は取引先に倒産の危機が迫っている可能性があると考えていいでしょう。

 

税理士が来社する頻度が増える

会社の顧問税理士は通常の経営状況であれば月に1回ほどの来社で済みますが、倒産の危機が迫っている場合、金融機関に融資をお願いしたり、取引先と支払方法についての交渉を行ったりする必要が出てくるため、そのための書類作成や打ち合わせで月の訪問回数が明らかに増えます。 取引先に出向いた時に税理士らしき人物がいる確率が増えたら要注意です。

 

コスト削減がシビアになる

どこの会社でも、ある程度のコスト削減を意識しているかと思いますが、倒産の危機に瀕しているような会社の場合、コスト削減がよりシビアになります。

 

明らかに暑い日なのにエアコンをつけていなかったり、それまで長年購入していた商品を入荷しなくなったりしたら、会社の経営状態が悪くなって倒産してしまう兆候かもしれません。

 

納品先に対して支払い時期を早めるよう依頼がある

いつも通りの取引内容で取引を行っているのに、急に支払い時期を早めてほしいと依頼されたことはありませんか?

 

このような依頼をする場合、会社のお金が不足していて一刻も早く資金を調達しなければいけない状況に陥っている可能性があります。 支払い時期を早めてほしい理由について探れそうなら探ってみて、自分では聞きにくいようであれば探偵など調査機関に調査を依頼する必要があるでしょう。

 

仕入れ先に支払い時期を延長してもらえるよう依頼がある

倒産の危機に瀕している経営状況の場合、仕入先に対して、その支払条件を変更してもらうように依頼することがあります。 これまでは仕入れを行った翌月末日に支払ってくれていたのに、急に翌々月末に変更してほしいなどの依頼を受けた場合は注意が必要です。

 

取引先が夜逃げした!売掛金の回収はできる?

売掛金とは、売上の対価として将来的に金銭を受け取る権利のことで、取引先同士で期日に入金を約束したものです。しかし、取引先の経営状況が悪化して通常通りに支払いがされない場合もあります。

 

結論から申し上げますと、取引先が夜逃げして行方が分からなくなっている場合には、売掛金の回収は相当困難になってしまいます。 取引先が夜逃げしてしまうと、売掛金の回収のための法的手段も取れなくなってしまいますので、まずは居場所を突き止めることが重要です。それについては次の章で詳しくお話しします。

 

貸倒損失とは

取引先が夜逃げして売掛金の回収ができなくなってしまったら、経営者としては税金だけでも安くしたいと考えますよね。

 

貸倒損失とは、売掛金などの債権が回収できなくなった場合に、その分を損失にすることを指し、貸倒損失によって税務上費用処理を行うことができます。 夜逃げや行方不明、倒産が起きた場合に貸倒損失が認められますが、条件として売掛金回収のための努力をしたかどうかが判断材料とされます。 売掛金回収の方法は後ほど詳しく解説していきます。

 

取引先が夜逃げしたら探偵に行方調査を依頼して居場所を突き詰める

取引先が夜逃げした場合、売掛金の回収のためにもまずは居場所を突き止めることが必要になってきます。

 

しかし、夜逃げしている人は必死で逃げ隠れしているため、素人がどれだけ頑張って探そうとしてもなかなか見つかるものではありません。

 

より確実に、よりスピーディーに夜逃げした取引先を探し出したい場合は探偵へ行方調査を依頼することをおすすめします。 探偵は費用を払えばすぐに調査を開始してくれますし、自分で聞き込みをして周囲から不信がられるリスクも避けられます。また、個人にはない人脈やネットワークを利用し情報収集を行うため、驚くほど速く夜逃げ人を見つけ出すことも可能なのです。

 

売掛金の回収をするための手段

探偵に夜逃げした取引先を見つけてもらい、債権回収が行える状況であれば、売掛金の回収のための法的手段を取ることになります。 一般的に法的な回収手段として有効とされているものは以下の通りです。

 

内容証明郵便

内容証明郵便は「いつ」「誰が」「誰に」「どういう内容の」郵便を送ったかを証明する郵便のことを指し、未払い賃金の督促や売掛金の回収などの場面で利用されます。

 

厳密にいうと内容証明郵便には法的な効力がないのですが、相手に対して決然たる態度を示し、心理的なプレッシャーを与える効果を期待できます。 この方法は、夜逃げしたままだと内容証明郵便形式で送付しても、誰も受領する人がいない状況になってしまうので、行方調査で居場所を突き止めてから行うことが必要です。

 

民事保全

民事保全とは将来の強制執行に備えて、取引先が財産を勝手に処分しないようにするための手続きです。

 

ただし、法的倒産手続きが開始している場合は、民事保全手続きを申立てても無駄となってしまいますし、民事保全をしたからといってすぐに売掛金の回収ができるわけではないことに注意しましょう。

 

民事訴訟

民事訴訟はいわゆる民事裁判のことです。

 

訴状を提出してから裁判所が訴状審査を行うまでに1~2週間程度の時間がかかり、訴状審査終了日から1ヶ月以上先の日が指定されて1回の裁判が行われるような時間軸になりますので、どうしても時間がかかりすぎてしまうという印象があります。 そのため、他の回収手段と併用しながら民事訴訟を検討していくのがベターです。

 

強制執行

民事訴訟手続きで判決が出ている場合や和解が成立している場合は、差押え等の強制執行を行うことが可能になります。 ただし、破産や民事再生の法的倒産手続きが開始した場合には、強制執行手続きができなくなってしまいますので、強制執行ができる状態なのであれば、すぐに行うようにしてください。

 

担保権の実行

取引先が債務を履行せず、交渉をしても履行の目処が立たないような場合には、担保目的物から強制的に債権の回収をすることができます。 担保権には先取特権、仮登記担保、担保権などいろいろ種類がありますが、担保権の行使として一般的に多いものは、抵当権からの回収です。

 

なお、法的倒産手続き開始前である場合だけでなく、法的倒産手続き開始後も担保権の実行は債権者主導の下で進めることができます。

 

相殺の実行

あなた会社が債権者ではあっても、取引先に対して支払い債務があるような場合は、債権と支払い債務とを相殺すれば、一気に清算することが可能です。 この方法であればすぐに売掛金の回収が可能になります。

 

相殺の実行は、法的倒産手続き開始前ももちろんですが、法的倒産手続き開始後であっても実行が可能です。

 

まとめ|倒産・夜逃げしない安全な会社かどうかは信用調査で事前にチェック

取引先が突然倒産し夜逃げしてしまうと、あなたの会社にも大きな悪影響が出てしまいますし、業務も滞ってしまいますよね。 できれば倒産するリスクの少ない安全な会社と取引を行いたいと思うはずです。

 

企業信用調査は安心して取引を開始しその後も継続していくために必要不可欠になっていると言えます。 倒産以外にも取引後におけるトラブルを未然に防止できる効果も期待できるのです。

 

信用調査では、決算内容を始めとする財務関係はもちろんのこと、代表者や役員の素行、交遊関係などの問題点を明確にし、取引先の将来の方向性までもを調べることができるため、安心した取引には欠かせないと言えます。 取引先が倒産して夜逃げされるというようなトラブルを避けるために、事前に取引先についての十分な調査が重要になるでしょう。