パワハラと聞くと、上司から部下に対して行われるものという認識があるかもしれませんが、最近ではモンスター社員と呼べるような部下から上司に対してパワハラをする「逆パワハラ」が増えてきています。

 

逆パワハラを放置してしまうと、他の社員にとっての職場環境を悪化させてしまいますし、逆パワハラを受けている上司の精神的なダメージも大きくなってしまいます。

 

今回の記事では、モンスター社員からの逆パワハラの実例や逆パワハラに対しての効果的な対処法、モンスター社員を解雇するために必要なことをまとめていきます。

 

モンスター社員とは

モンスター社員という言葉は最近聞かれるようになりましたが、どのような存在かご存知でしょうか。 モンスター社員とは、仕事における生産性が低く、会社や職場の人たちに負の影響を与える存在のことを言います。最近は多くの会社でモンスター社員への対応に困っているという相談が増えてきています。

 

モンスター社員の特徴

モンスター社員による問題行動はいろいろとありますが、モンスター社員の特徴として

・問題行動を起こしているという自覚がない

・常に上から目線で自己主張が激しい

・自己中心

などの特徴が挙げられます。 自分が一番正しく、周りが間違っている、そして自分に問題があるという自覚がないため、周りの人たちが振り回されて対応に困ってしまうケースが多発してしまうのです。

 

モンスター社員から逆パワハラ!逆パワハラの実例とは

モンスター社員の問題行動としては

・仕事をすぐにサボる

・会社のお金に手を付ける

・無断欠勤や遅刻が多い

・親が介入してくる

などが有名ですが、逆パワハラとしてはどのような実例があるのか見ていきましょう。

 

上司の能力不足を叱責する

上司のマネジメント能力がないことを叱責するモンスター部下が存在します。

 

上司によるパワーハラスメントが社会問題化している影響で、部下に必要以上に気を遣い、部下を怒らない、問題があっても注意できない上司が増えたことが要因と考えられます。 また、年齢的にITに詳しくない高齢の上司に対して、「能力がない」とモンスター部下が罵倒するケースもあるようです。

 

上司の指示を無視OR非協力的

普通は上司が部下に対して業務上のさまざまな指示を行いますが、上司の指示を無視して返事すらしない、指示された通りに仕事をしない、指示とはまったく別の行動を取るなどの逆パワハラをするモンスター社員も存在します。

 

上司が仕事を頼んだ際にも、「それは私の仕事じゃないです」などと仕事を引き受けないことも逆パワハラに当たります。

 

SNSやネットで誹謗中傷

最近の若い社員の間ではSNSが当たり前に使われていますが、そのSNSを使って逆パワハラをするケースもあります。 上司が知りえないSNSやインターネット上の掲示板、個人のブログを使って、上司の実名をさらして誹謗中傷するケースも珍しくありません。これらは名誉棄損に該当するためかなり悪質なやり方だと言えるでしょう。

 

上司に対して暴言・威圧する

上司が反論しないことを良いことに、暴言や威圧的な態度を繰り返すモンスター社員もいます。 上司の人格や尊厳を軽んじて日常的に精神的なダメージを与えることで上司を職場から追放してやろうと考えているのかもしれません。

 

いずれにしてもこのようなモンスター社員を放置してしまうと、有能な社員がどんどん辞めていくことになりますので、できるだけ早く対処することが重要になります。

 

社員同士で嫌がらせする

気に食わない上司に対して部下の社員同士が結託して嫌がらせをする悪質な逆パワハラもあります。 自分が抱えている部下全員が結託してしまうと、上司としては逃げ場がなくなってしまいますので、かなり精神的なダメージは大きいものになるでしょう。

 

パワハラだと恐喝してくる

上司に対して、ちょっとしたことで「パワハラ」だと騒いで逆切れするパターンも急増しています。

 

少し面倒な仕事を頼んだだけで 「それパワハラですよ?」 「あなたの言動、会社にパワハラとして報告しておきますね」 などと上司を恐喝するのです。 上司はパワハラで告発されることを恐れていますので、部下からの恐喝に従わざるを得なくなり、モンスター社員の言いなりになってしまうのです。

 

上司の仕事を取り上げる

女性の上司に対して増えているのが、仕事を取り上げるという逆パワハラです。女性の社会進出が増えてきているので、上司が女性であるケースも珍しくありませんが、未だに、女性上司を認めようとしない男性部下が存在しています。

 

女性の上司が仕事をしようとすると、部下が「これは僕たちがやっておくので、あなたは指示だけ出しておいてください」などと言い、仕事を取り上げます。そして、取り上げた仕事の報告はせずに、上司を孤立させようとする逆パワハラも存在するようです。

 

モンスター社員を放置するのが一番危険

上司としては、モンスター社員から「パワハラ」だと冤罪にされるのが怖くて、なかなかモンスター部下の問題を放置してしまいがちだと思います。 確かに、厄介なことに巻き込まれることを恐れて、見て見ぬふりをしたくなるのはわかります。しかし、逆パワハラをするモンスター社員を放置するのは一番危険なことです。

 

ほかの社員にとって悪影響

モンスター社員が逆パワハラを繰り返せば繰り返すほど、職場の環境は悪くなる一方です。

 

モンスター社員から逆パワハラを受けている上司は日に日に精神的なダメージを受けてしまいますし、誰もがモンスター社員に対して腫れ物に触るようにビクビクするような環境が仕事をしやすいわけがありませんよね。 モンスター社員を放置することは、逆パワハラを受けている上司にとってももちろんよくありませんが、直接的な被害を受けていないほかの社員にとっても悪影響なのです。

 

有能な社員が辞めていく

モンスター社員によって職場環境が悪くなった結果、職場を離れていく社員も出てくるでしょう。

 

そういう場合、仕事に対して誇りを持ち、一生懸命に仕事をするような有能な社員ほど環境の悪化をすぐに察知して離職しようとします。有能な社員が会社から去り、モンスター社員による悪影響ばかりが目立ってしまうと会社全体にとっても大きなダメージになるのです。

 

ネット中傷をされる危険性

逆パワハラをするようなモンスター社員はすぐにSNSやネットの掲示板などに誹謗中傷を書き込む傾向が見られます。

 

ターゲットになっている上司の誹謗中傷はもちろん、会社全体の誹謗中傷も書き込む可能性が高いですので、書き込まれた内容の真偽はさておき、会社のイメージダウンにもつながりかねないでしょう。 モンスター社員の放置は、会社にとって問題を肥大化させる原因になる可能性があるのです。

 

モンスター社員の逆パワハラへの対処法は?

もし、あなたがモンスター社員の逆パワハラを受けてしまったらどのように対処すればいいのでしょうか。 適切な対処法をご紹介していきます。

 

自分の上司に相談する

部下のモンスター社員から逆パワハラを受けたら、まず自分の上司に相談しましょう。

 

相談する際は、これまで受けてきた逆パワハラの事例を具体的に訴えかけるといいです。 感情的に伝えるのではなく、逆パワハラの内容を客観的事実をもとに冷静に上司に伝えてください。

 

モンスター社員を指導する

上司に逆パワハラについて相談したら、おそらく会社としてモンスター社員を指導することになるはずです。

 

モンスター社員の指導を行う際は、のちのち懲戒処分をすることも視野に入れ「問題社員の問題行動をしっかりと指導しましたよ」ということを証明できるよう、指導内容や指導結果を記録に取っておくことが重要です。

 

参考記事:問題社員への正しい指導法と改善されない場合の対処法と会社の守り方

 

労働局に相談する

上司にも相談し、モンスター社員の指導も実施したのになかなか解決に向かわない場合は、労働局の企画室に相談に行くのもアリです。 労働局の企画室は職場のいじめやパワハラなど民事の相談にのってくれます。

 

客観的証拠を集めていく

逆パワハラに対してモンスター社員を訴えることになった場合、なんとなくのぼんやりした曖昧な話では、法的措置を取りにくくなってしまいます。全容を的確に相手に伝わりやすくするためには、客観的事実を伝えることが重要です。

 

逆パワハラの被害を受けたら、コツコツと客観的証拠を集め、いざ被害を告発する際に証拠として使いましょう。逆パワハラを受けたらその都度メモなどの記録を取っていくといいですね。

 

懲戒解雇を検討する

モンスター社員を指導したものの逆パワハラが治らない、モンスター社員をこれ以上手に負えない、などの場合は、懲戒解雇を検討する必要があるでしょう。 懲戒解雇は簡単にできるものではありませんが、モンスター社員を放っておいて被害が大きくなるくらいなら、手間や労力を負ってでも懲戒解雇を検討するのがお勧めです。

 

モンスター社員を逆パワハラで解雇するためには

モンスター社員を解雇することは簡単なことではありません。仮に懲戒解雇できたとしても、モンスター社員から「不当解雇」として訴えられるリスクもあります。 そのため、訴えられた場合に備えて、モンスター社員の問題行動の証拠を残しておくことが何より重要です。

 

職務規定に違反していれば解雇可能

モンスター社員であれば解雇できるかと言えば、そうではありません。解雇できるのは、職務規定に違反している場合です。会社からの業務の指示に従わず、自分勝手な行動をしている場合は職務規程違反に該当します。

 

この場合、モンスター社員がどのような問題行動を起こして、職務規定のどれに違反しているのかを証明できるようにしておく必要があります。問題行動の証拠については、自社内で確保が難しければ、企業調査に力を入れている探偵など専門家に依頼するのもお勧めの方法です。

 

モンスター社員を解雇するなら会社を守るための証拠を確保

モンスター社員を解雇することが簡単ではないことは繰り返し伝えていますが、それでも会社を守るために懲戒解雇を検討しなければいけない場面も出てくると思います。 解雇することを視野に入れるのであれば、しっかりと証拠を確保するようにしてください。

 

必要な証拠としては、以下の2種類の証拠です。解雇する際にはこれらの証拠を掴んでいくことが必要不可欠です。

 

モンスター社員の問題行動の証拠

解雇する際、「モンスター社員だから」という理由では解雇できません。具体的にどのような問題行動があったのか、それによりどのような被害が出ているのかを証拠として取っておきましょう。

 

会社がしっかりと指導した証拠

モンスター社員に対して、会社がしっかりと指導したことを証明できるものを用意することも必要です。どのような問題行動があり、どのような指導を誰がどのくらいの期間行い、どのように改善されたのか、改善されなかったのかという記録を用意しましょう。

 

まとめ|モンスター社員の問題行動の証拠は探偵に調査依頼を

逆パワハラをするようなモンスター社員を解雇する際は、客観的な証拠を持っておくことが会社を守るうえで重要になります。

 

なお、モンスター社員は逆パワハラだけでなく、外回り中に仕事をサボったり、体調不良で休みを取っているのにパチンコに行っていたり、場合によっては横領を行っていたりすることもあります。 そのような問題行動の全容を証拠として掴んでおくと、懲戒解雇もスムーズに進めることができるでしょう。

 

ただし、会社が問題行動を指導した記録というのは、指導記録などを保管しておけばいいのですが、モンスター社員の問題行動についてはなかなか裁判でも認められる証拠を取ることは素人では難しいかもしれません。

 

問題行動の証拠に関しては、行動調査のプロである探偵に調査を依頼し、証拠確保をしてもらうのがお勧めです。探偵の企業調査についてご不明な点がありましたら、ぜひ無料相談にてお問い合わせいただければと思います。