競合調査を自分で行う際に押さえるべきポイントと自分で調査するリスク

KW新しくお店を出したいと思った時や、別の場所に店舗を増やそうと考えた時、売り上げが伸びずに悩んでいるときなど「他のライバル店はどうやっているのだろう?」「あの店はなぜあんなにも成功しているのだろう?」と考えたことがある方は多いのではないでしょうか。

 

競合他社の状況を調査して自社の売り上げ向上に生かすための競合調査は、自社のやり方を見直したり、新しく店舗や事業を拡大したりする際にとても効果的な手法で、多くの会社で実施した経験があると思います。

 

ただ、

「コンサルティング会社に競合調査を頼むと、お金がかさんで本末転倒な気がする・・・」

「自分たちでできるなら自分でやったほうがコストを抑えられるのではないか」

と考えている経営者の方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで今回は、自分で競合調査を行う際に押さえておくべきポイントや、競合調査を行う際に使えるフレームワーク、自社で競合調査を行うことについて知っておくべきリスクについてまとめてみました。

 

「コンサルティング会社に競合調査を頼むのは高すぎる」「自分でなんとか調査したい」と考えている方はぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。

 

競合調査って必要?競合調査を行う意味とは

この記事にたどり着いていただいている方々は、競合調査の必要性についてご理解いただけているかと思いますが、いざ「なんのために競合調査をするのですか?」「競合調査にかけるお金と時間って必要ですか?」と聞かれて、明確に競合調査を行う意味について回答できるでしょうか。

 

競合調査を行う意味は、一言で言えば自社・自店の戦略を見直すための手段として活用するということです。

 

あなたの会社やお店の周りで、同じ層のターゲットを狙い、似ているサービスを展開しているライバル会社の中で、売り上げを上げていて成長している会社はありませんか?

 

このような、売れている・成長している会社やお店がどのような商品を販売しているのか、どのような打ち出し方をしているのか、どのような価格帯で売り出しているのか、宣伝方法はどうなのか、狙っているターゲット層は?などを調べ、自社と比較することで、自分の会社の売り上げを上げる戦略を練る際に活用することができるのです。

 

時々「うちの会社は売り上げが落ちているのだから、競合調査なんてやってる場合じゃない!そんなことやってる暇があったら1つでも商品を売ってこい!」という経営者の方がいらっしゃいますが、これは話が逆転しています。

 

売り上げが落ちているからこそ、売り上げを伸ばしていきたいからこそ、競合調査を行う意味があり、行うべきなのです。

 

 

競合調査のやり方と押さえるべきポイント

自社の売り上げを上げていくために、競合調査がいかに必要なことかはすでにお伝えしましたが、実際に行う際、どのような点に気を付けなければならないのか、効率よく行うためにはどのようなポイントを抑えるべきなのかをここでお伝えしていきたいと思います。

 

競合調査を行う目的を決める

最初のポイントは、競合調査を行う目的を明確にし、言葉に表して全員で共有することです。競合調査の目的を決めずに始めてしまうと、やみくもに情報収集してしまったり、分析の仕方を間違ってあまり意味のない結果を導き出したりしてしまい、とても危険です。

 

目的が明確にわかっていないと、何を調べればいいのかがわからなくなるので、調査対象が多くなりすぎて膨大な時間もかかってしまい非効率です。

 

競合調査は、自社の課題を洗い出して課題解決のためにどんな施策を打つべきなのかを検討するところまでを一貫して行わなければ意味がありません。

 

正しい分析結果を出し、自社の課題を効率的に解決するためにも、始めに競合調査の目的を明確に定めておきましょう。

 

競合調査を行う目的は会社や状況によって様々だと思いますが、よくあるものとしては、

・売り上げが落ち込んだ原因を突き止めて改善したい

・新しいサービスを始めても儲かるのか調べたい

・新商品を開発したい

・商品やサービスをリニューアルしたい

・お客様のリピート率を上げたい

などです。

 

このように、まずは自社で何が課題となっていて、理想はどうなりたいのか、何を成し遂げたいのかを考えたうえで競合調査を実施する目的を考えていきましょう。

 

調査対象を明確に決める

競合調査を行う目的が定まったら、続いては調査対象とする競合企業を決めていきます。

 

自分で競合調査を行おうとする場合、手当たり次第に思いついた企業やお店を数多く調査しようとしてしまうことが多いのですが、深く考えずに多くの会社を調査対象にするのは避けたほうが良いです。

 

時間がかかりすぎてしまう上に、望んだ結果を得られる可能性が低くなります。調査対象とする会社を選ぶ際は

 

・トップシェアの会社やお店

・シェアが一番低い会社やお店

・自社と同レベルのシェアの会社やお店

・コンセプトが似ていると思われる会社やお店

・最近売上を伸ばしていると会社やお店

・同じターゲット層を狙っている会社やお店

 

調査対象を選ぶ際は、売上が伸びている会社だけではなく、うまくいっていない会社も調査することで、何が悪くて売り上げが伸びていないのかを調べることができ、反面教師にすることができますし、より客観的な分析が可能になります。

 

競合調査を行う目的に合わせて、3社から5社ほどをピックアップすると良いでしょう。

 

仮説を立てる

競合調査を行う際は、仮説を立ててから実際に調査を始めることも大切です。仮説を立てておいたほうが、その仮説が正しかったのか間違っていたのかを確認するように調査を進めることができるため、無駄な調査をせずに済みますし、考えながら調査をすることができるので、気付くポイントも多くなっていきます。

 

例えば

「●●のスーパーは特に小さい子供を持つ若い母親に人気が高いので、子供を連れて買い物がしやすい工夫がいくつもあるはずだ」

「〇〇店のラーメンは若い女性にも人気だが、きっとヘルシーメニューを打ち出していたり女性一人でも入りやすい工夫をしていたりするはずだ」

と言うように、仮説を確認するために競合調査を進めていくとより効率が良くなります。

 

調査を実施する

競合調査を行う目的を明確に決めることができ、調査対象も決定し、仮説も立てることができたら、いよいよ調査を実施します。

 

代表的な調査の実施方法は、ネットリサーチと競合店やライバル会社への直接訪問です。近年はネット上に口コミや会社のコンセプト、店内の写真などを見ることができますし、移動する時間と手間を省けるので、ネットリサーチを実施する方が多いでしょう。

 

ただ、競合から調査をされることを避けるためにインターネット上に公開する情報を限定的にしている企業も少なくありませんので、やはり直接訪問が最も確実な方法と言えるでしょう。

 

調査の実施はコンサルティング会社に依頼するという選択肢もありますが、かなり費用が掛かってしまいますので、信頼できるフリーランスに依頼するか、調査のプロである調査会社や探偵に依頼する方法がお勧めです。

 

 

自分で競合調査をするときに使えるフレームワーク

競合調査を行う具体的な方法やポイントはお伝えし、やり方自体は理解していただけたかと思いますが、調査対象のお店や会社をどのようにピックアップすればいいのか悩んでしまったり、調査が終わった後の分析で手間取ってしまったりするケースは少なくありません。

 

そこで、この章では自分で競合調査を行う際に使えるフレームワークをご紹介していきます。競合調査を行う目的を決める際や仮説を立てるとき、調査結果の分析を行う際などに活用してみてくださいね。

 

3C分析

顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)それぞれの視点から、情報を整理して考えていくフレームワークです。

 

1つ目の顧客については、顧客のニーズは何かということや、顧客の行動、心理を分析していきます。

 

2つ目の競合は文字どおり、競合各社についての分析です。他社の業界内でのポジションやシェア、戦略などを考えていきます。

 

3つ目の自社は自社が抱える問題点やこれから向かっていく先、理想像についてを考えていきます。

 

4P分析

4P分析は主に商品の販売戦略について考える時に用いることが多いフレームワークです。4つのPは商品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、流通(Place)です。

 

4つのPは、商品をどのように売るか計画し、それを実施していく上で非常に重要な項目となります。

 

商品そのものの品質や特徴について分析し、価格が見合っているか・他の類似商品とどれくらい差があるのかを調査し、広告などのプロモーションが適しているか考え、販売チャネルが適しているかを分析していきます。

 

5フォース分析

5フォース分析とは、競合要因となる5つの脅威(フォース)を洗い出すことで自社を取り巻く競争の環境を理解し、分析するためのフレームワークです。

 

5フォースは、売り手、買い手、新規参入者、代替製品、競合他社の5つです。

 

たとえば、新しく事業やサービスを始めようと考えているとき、参入障壁が低い業界は気軽に新しいサービスを始めることが可能ですが、それと同時に他の新規参入者も増加する傾向にありますので、自社のシェアが奪われるリスクが大きい上に業界全体の収益性が低下する恐れを考えなければなりません。

 

また、自社製品と似たようなものやより優れている商品が代替製品として現れることになれば、自社としてはかなりのピンチになります。そうなる可能性を考えて日頃から情報を集めておく必要があるでしょう。

 

SWOT分析

SWOT分析とは、以下の4つの要因を調査して、自社を客観的に理解し、事業計画を立てたり課題解決のための戦略を立てたりする際に役に立つフレームワークです。

 

4つの要因とは強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)です。

 

強みと弱み(SとW)は企業の内部的要因なので、企業としての努力や改善で変えることができますが。機会と脅威(OとT)は外部的要因ですので、会社としての努力でどうこう変えることができるものではありません。

 

こちらのフレームワークは自分たちの利点と課題、自分たちが置かれた市場や環境をより詳しく分析できるため、色々なシーンで活用することができます。

 

 

自分で競合調査を行うことのリスク

予算の関係で競合調査を外部のコンサルティング会社などに委託できない場合、自社内の人間や経営者本人が自分で競合調査を行わなければならないケースも多いでしょう。

 

もちろん、やってやれないことはありませんが、自分で競合調査を行うことにはいくつかリスクがあります。

 

これらのリスクを前もって把握しておくことで、落とし穴にはまってしまう危険を回避できますので、競合調査に取り掛かる前にリスクについて知っておきましょう。

 

 

人的リソースと時間が奪われる

まず考えられるリスクとしては、人的リソースと時間が競合調査に取られてしまうということです。通常業務に当たらなければならない社員や店員を競合調査に充てるとなれば、通常業務に差し支えてしまう可能性がありますし、担当者の負担も大きくなってしまうでしょう。

 

また、競合調査を行う担当者が初めて競合調査を行うとなると、どうしても初動に時間が取られてしまいます。何からどう進めていけばいいのかという手順もはっきりとわかっていませんし、一つ一つの作業も熟知しているわけではないので、多大な労力が競合調査に注がれてしまいます。

 

競合調査自体はとても必要性の高いもので、やるべきなのですが、競合調査のために貴重な人的リソースと時間が奪われてしまうリスクは、決して小さいものではなく、他の業務にも支障が出てきてしまうでしょう。

 

 

調査本来の目的を見失う

競合調査をするにあたって、競合に関する情報やデータを数多く集めなければなりませんし、その情報やデータを集計して分析していかなければなりません。

 

データを集めることそのものは必要なのですが、競合調査をしていくうちに、本来の目的である「自社の戦略の見直し」ということを見失ってしまい、データ集めそのものが目的になってしまう危険性があります。

 

調査を専門的に行っている会社であれば、本来の目的を見失わず、データ集めは手段として捉えて行っていけるのですが、調査になれていない担当者やはじめて競合調査を行う担当者だと、データを集めることに集中しすぎてしまったり、分析に夢中になってしまったりして、いったい何のために競合調査をしているのかがわからなくなってしまうケースがあります。

 

 

調査結果をマーケティングにどう生かせばいいかわからない

競合調査を進めた結果、競合店がどのような商品を注力商品としているのか、どのような外装にしているのか、どのようなレイアウトで商品を並べているのかがわかったとします。

 

それをもとに、その結果をどのように自社に生かすかすぐに決めることができるでしょうか?

 

調査結果をすぐに自社のマーケティングや戦略に生かすことができれば問題ないのですが、いざ自分で競合調査を行うとなったとき、多くの方が「競合調査はできたものの、そこで得られた情報をどう解釈すれば良いか分からない」という本音を持ってしまうのではないでしょうか。

 

競合で自社と似ている部分があるとはいえ、ターゲット層や注力商品、特徴など全く同じ会社というのはありませんので、まるまる競合をマネしてもうまくいくことはありません。きちんと調査結果を分析し、自社に置き換えて戦略として練り直さなければなりませんが、それを自力で行うのはかなり難易度が高いのです。

 

 

まとめ|「競合調査にかける時間も人員もいない」というときは外注もあり

今回は、自分で競合調査を行う際の具体的な進め方や効率的かつ効果的に行うポイント、分析の際などに使えるフレームワークをご紹介してきました。

 

競合調査は自社の売り上げを上げるうえでも競合との差別化を行ううえでも新規商品を考案するうえでもとても重要な調査であることは間違いありませんが、自力で行うにはかなりの労力を割かなければなりませんし、時間もかかります。

 

競合調査を行うための専門の人員を社内で割くことができればいいのですが、多くの会社では通常業務を行いながら並行して実施していくことになるでしょう。これは想像以上に大変で業務に支障をきたしたり、調査担当者への負担が大きくなりすぎたりしてしまいます。

 

そのような場合は、調査を専門としている外部に委託してしまうという方法もあります。調査の専門会社であれば、効率よく調査を進めてくれるので時間もそれほど長くかかりませんし、業務に支障をきたすこともありません。また、専門的な視点からアドバイスをもらうことも可能です。

 

もし「競合調査をしてみたいけれど、自力でやるのは厳しそうだな・・・」と感じるようであれば、ぜひ一度お気軽にご相談ください。