最近では若者を中心に多くの人がInstagramやFacebook、ツイッターなどのSNSを利用していますよね。 通常の使い方をしていれば良い娯楽なのですが、中にはSNSで特定の相手を誹謗中傷をしてトラブルになるケースも後を絶ちません。
SNSでの誹謗中傷はあっという間に拡散されてしまい、会社や個人に大きなダメージを与えてしまいます。すぐに拡散して被害が大きくなってしまうので、誹謗中傷を受けたらすぐに対応しなければいけません。
そこで今回は、SNSでの誹謗中傷を受けた時にどう対処すればいいのか、誹謗中傷を放置してしまうとどのようなリスクがあるのかを見ていきます。
誹謗中傷と批判はどう違う?
誹謗中傷を受けたときの調査方法や対処法をお伝えする前に、誹謗中傷とは具体的にどのような行為なのかを確認します。 誹謗中傷とは、事実ではないことを根拠なしに悪口を言いふらす行為で、SNSやインターネット上だけでなく口頭の場合も含まれます。
なお、誹謗中傷と似て非なるものが批判で、一見どちらなのか判断がつきにくいかもしれません。批判とは、意見や主張について欠点を指摘したり、こちらの意見を主張したりする行為で、相手の意見や主張を尊重したうえで論じることなので、誹謗中傷とは別物です。 SNSなどで誹謗中傷を受けたと思ったら、それが批判なのか誹謗中傷なのかいったん冷静に考えたほうがいいでしょう。
SNSでの誹謗中傷を調査する方法
一番怖いのは、自分では知らない間にSNSで誹謗中傷をされていて、気が付いた時にはかなり拡散されて被害が大きくなってしまっていたという状態です。 個人の場合も被害は大きいですが、お店や会社だと業績に関わってきますので大問題でしょう。そのため、日ごろからSNSで誹謗中傷を受けていないか調査しておくことが大切です。
自分でエゴサーチ
SNSでの誹謗中傷を調査する方法として自分で検索するエゴサーチが一番手軽です。自分の名前やお店の名前、会社名で検索して、どんな投稿がされているかを調べてみてください。
検索する表記名もひらがな、カタカナ、スペースの有り無しなどいろいろな表記で検索すると漏れなく確認できます。 また、SNSだけでなく、GoogleやBingなどでも検索するとより網羅的に調べられます。
探偵に調査を依頼
自分での調査では抜け漏れがあると感じる場合は、探偵に調査を依頼するとより確実で安心です。特に、会社やお店の場合は業績に関わりますので、プロの探偵に調査を依頼して誹謗中傷によるトラブルを未然に防ぐことで会社を守ることができるでしょう。
SNSでの誹謗中傷の被害を受けてしまったらどうすればいい?
SNSでの誹謗中傷はできれば未然に防ぐか、早期発見してすぐに対処することが理想ですが、ときに発見が遅れて誹謗中傷の被害が大きくなってしまうケースもあります。 では、被害を受けてしまったらどのように対処すればいいのでしょうか。
インターネット人権相談受付窓口に相談
法務省のインターネット人権相談受付窓口が無料で対処についてのアドバイスをくれます。相談フォームから氏名や住所、相談内容などを入力して送信すると、後日法務局からメールもしくは電話でアドバイスがもらえます。
お金をかけたくないという方にはお勧めです。
外部リンク:インターネット人権相談受付窓口
運営側に削除依頼をする
誹謗中傷の内容が、法律や人権侵害、業務妨害に関わる内容の場合には、SNSの運営側に依頼して内容を削除申請することができます。 また、SNSだけでなく、ブログや口コミサイトなどでの誹謗中傷の場合もブログ運営側やサイト運営側に依頼して誹謗中傷についての書き込みを削除してもらいましょう。
警察のサイバー犯罪相談窓口に相談
警察本部に設置されているサイバー犯罪相談窓口でも、無料で誹謗中傷被害の相談を受け付けてくれます。また、最寄りの警察署でも相談に乗ってもらえます。
なお、誹謗中傷の中でも事件性のある内容や悪質性の高いものについては、刑事課が担当する場合もあります。脅迫や犯罪に関わるような内容であれば、証拠を押さえて警察に相談すればすぐに対処してくれる可能性があります。 反対に、証拠がないと対応してもらえない場合が多いので注意しましょう。
外部リンク:サイバー犯罪相談窓口
探偵に調査を依頼
犯人に対して慰謝料を請求したり訴えたりしたい場合、また、事件性があって身の危険を感じるような場合には、探偵の調査を依頼して証拠を掴んでもらいましょう。
慰謝料を請求する場合も訴えて裁判を起こす場合も証拠が必要不可欠になります。探偵の調査力を頼れば、犯人の特定や証拠を確保することも可能になりますので、ぜひ活用すると良いでしょう。
弁護士に相談
慰謝料を請求したり、裁判を起こして訴えたりする場合は、法律のプロである弁護士に相談しておくと安心ですね。 その際は、誹謗中傷された事実の証拠や犯人を特定できる証拠を持って相談にいくと良いでしょう。
なお、探偵によっては提携している弁護士を無料で紹介してくれることもあるので、法的手段を取る旨を探偵に話しておくとスムーズです。
SNSでの誹謗中傷の法的責任とは
SNSでの誹謗中傷を受けたことに対して犯人を訴えたいと考える人も多いでしょう。では、誹謗中傷に対してはどのような法的責任を問えるのでしょうか。
名誉毀損罪
名誉毀損とは、公然と特定の他人についての事柄を摘示して、その人の名誉を毀損した場合に成立する罪のことを言います。これは指摘された内容が事実なのか嘘なのかは関係なく成立します。
侮辱罪
事実の摘示がない場合でも、公然と人を侮辱すると侮辱罪が成功します。SNSなどの公の場で「バカ」「キモイ」「能無し」などと表現すれば侮辱罪として訴えることができます。
業務妨害罪
嘘の内容を投稿し、お店や会社の信用を毀損し、なおかつお店や会社の業務を妨害したと判断される場合は、業務妨害罪に問うことができます。 お店の評判を落とすためにSNSなどに、「腐った料理を出している」「ねずみの肉を使っている」などと嘘の内容を投稿すれば業務妨害罪が成功するでしょう。
脅迫罪
相手の生命や身体、財産などに対して危険を及ぼすことを告げる内容の投稿をした場合に成功するのが脅迫罪です。 「会社を爆発させる」「店を燃やしてやる」などの内容が投稿されていれば脅迫罪が成立します。
損害賠償請求
刑事罰が成功しない場合でも民事罰で相手を訴えることも可能です。 誹謗中傷を受けたことによる精神的苦痛に対する慰謝料や、風評被害によって売上げや業績が低下したなどの実際に生じた損害について賠償するのが損害賠償請求です。 なお、刑事罰にしても民事罰にしても犯人の特定とその証拠が必要ですので、事前に証拠を確保しておくことが重要です。
SNSで誹謗中傷を受けた場合の慰謝料について
誹謗中傷を受けた場合にいくらくらいの慰謝料を請求できるのか気になるところですよね。
誹謗中傷が名誉毀損にあたる場合、慰謝料額の相場は個人の場合で10~50万円、会社やお店などの事業者で50~100万円といわれています。 ただし、被害状況や誹謗中傷の悪質性などによって、金額は上下しますので、弁護士に詳しく聞いてみることをお勧めします。
SNSで誹謗中傷を受けてしまったときの会社のリスク
「SNSでの誹謗中傷に対していちいち対応していられない!!」という会社やお店も少なくないでしょう。 確かに、通常業務が忙しくて、SNSの誹謗中傷にかまっていられない場合もあると思います。
しかし、誹謗中傷をそのまま放置してしまうと、被害がどんどん拡大していって会社やお店が受けるダメージは甚大なものになってしまうこともあります。誹謗中傷を受けた時のリスクとして
・企業イメージが低下する
・顧客が離れて売り上げが下がる
・株主からの信頼が無くなる
・採用が難しくなる
などのリスクが考えられるでしょう。 また、最悪の場合、業務停止や倒産という最悪の状態にまで被害が及ぶ可能性があります。誹謗中傷によって営業停止や業務停止に追い込まれた被害事例は後を絶たないのです。
まとめ
SNSでの誹謗中傷を受けた場合の対処法や相談先、誹謗中傷を放置した場合のリスクについてお伝えしてきました。SNSでの誹謗中傷を甘く見てしまうと被害がどんどん拡大して最悪の事態になる可能性をあります。
誹謗中傷のターゲットにならないためにも、誹謗中傷の被害を最小限にとどめるためにも、普段からの予防やリスクマネジメントが重要です。定期的に調査を実施して早期発見できるように対策しておくのもいいですね。