KWゴールデンウィークや年末年始の連休って仕事から解放されて自由に過ごせる最高の期間ですよね。旅行に出かけて非日常を味わう人もいますし、普段会えない友達と会って楽しい時間を過ごす人もいますし、一日中家で一人ダラダラ過ごしてリラックスする人もいるでしょう。
しかし、連休中にリフレッシュしすぎてしまうと、連休明けに「仕事・・・行きたくない」と思ってしまう人も少なくありません。仕事に行きたくない気持ちが出てくるだけならまだいいのですが、行きたくなくなりすぎてズル休みしてしまう人もいるようです。
ズル休みされてしまうと、給料を支払っている企業としては許せないでしょうし、特に、納期直前や大事な取引先との会議の日にズル休みをされてしまったら、会社としてはたまったものではありません。
連休明けに突然社員から欠勤の連絡が来たら、「ズル休みをしているのではないか。」と疑ってしまうでしょう。そんなとき、会社としてはどのような対処をすれば良いのでしょうか。
今回は、ズル休みをする社員たちの本音や実態、ズル休みをする社員たちがつく嘘を見抜く方法、そしてズル休みする社員に対して企業はどのように対応していくべきかについてお伝えしていきます。
連休明けにズル休みしてしまうのは仕方がない!?ビジネスマンの本音調査
ゴールデンウィークや年末年始、シルバーウィークなどの連休明けに「会社、行きたくないな」と思った経験がある方は多いと思いますが、そんなビジネスパーソンたちの本音を調査したアンケートがあります。
人材総合サービスで有名な株式会社スタッフサービス・ホールディングスが全国の働く2020代~4040代の男女500500名に対して行ったアンケート調査の結果、ビジネスパーソンたちのリアルな本音が見えてきました。
連休明けに仕事が辛いと感じる人は88割超え!
アンケート調査で「3日間以上の連休明けに仕事が辛いと思うか」という質問に対して、仕事が辛いと感じると答えた人は83.6%83.6%にも上りました。ほとんどのビジネスパーソンたちが連休明けに仕事が辛いと感じているのですね。
また、どのタイミングで辛いと感じるかという質問に対しては「朝起きた瞬間」の6666.0%が最も多くなっています。
最近は前後の土日を合わせるなどすれば1010連休になる会社も多く、大型連休を喜ぶ人も多いですが、連休が長くなればなるほど、その楽しい時間に慣れてしまって仕事に行きたくない思いが強くなったり、休み明けに溜まっているであろう仕事を想像して嫌気が差したりと、反動は大きくなってしまうのでしょう。
さらに、「3日以上の連休明けに退職、転職したいと思ったことがありますか」という質問に対しては42.8%の人が退職や転職を考えたことがあるという結果になりました。
連休明けにズル休みしたことがあるのは13.613.6%!
連休明けになると仕事に行きたくなくなるのはほとんどの人が経験しているようですが、実際にズル休みする人はどのくらいいるのでしょうか。
今回の調査で実際にズル休みしたことがあるかどうかの本音を聞いたところ、13.6%13.6%の人が、ズル休みの経験があるという結果が明らかになりました。また、ズル休みするときの理由として多く挙げられたのが体調不良や風邪、腹痛など自分自身の体調に関する理由でズル休みしているようです。
参考記事:PRTIMESPRTIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000044374.html
連休明けに転職を考える人も多数!会社も配慮が必要?
連休明けはそもそも会社をズル休みしたくなるタイミングですが、それが行き過ぎると会社を辞めたい、転職したいと考えてしまう人も多いです。
社員にリフレッシュしてもらうための連休なのに、それがきっかけで転職や退職をされてしまってはたまったものではないですよね。ズル休みする社員にももちろん問題がありますが、ズル休みしたくなるような職場環境にしてしまっている可能性もゼロではありません。
連休明けは、社員に退職されないよう、会社も配慮が必要なタイミングかもしれません。
ゴールデンウィーク明けに五月病にかかると厄介
五月病という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
新社会人や新入生に時々見られる症状なのですが、44月から新しい学校や新しい会社に入ってきて、新しい環境に慣れなければいけないと必死になり、新しく覚えることも多くて44月の初めからの約11か月かなりのパワーを消費しています。
そのフルパワーモードで過ごした44月の後半から始まるゴールデンウィークに気持ちが抜けてしまい、ゴールデンウィーク明けのタイミングでうつ病のように何もする気が出ないような症状になることがあるのです。
ゴールデンウィーク明けの55月頃に発症することが多いので「五月病」と呼ばれています。なお、五月病は新入社員だけでなく22年目以降の社員にも時々見られます。
五月病は医学的な診断名で言うと「適応障害」や「うつ病」と診断されるもので、これが酷くなると会社にしばらくいけなくなったり、最悪の場合は退職してしまったりということになります。
五月病にかかって退職されてしまうと、せっかくお金をかけて採用して研修にも労力をかけている企業側としては困ってしまうでしょう。
ズル休みしたくなるのは会社に原因がある場合も
「ズル休み」と聞くとズル休みする社員が一方的に悪いという印象を受けますが、ズル休みしたくなるような原因を作っているのが会社側というケースも少なくありません。
能力以上に過度な仕事量や仕事内容を与えていたり、パワハラ気質やモラハラ気質のある上司を新入社員につけていたり、日常的に残業をさせていたりすると、連休をきっかけに五月病を発症して会社をズル休みしたくなる社員が出てきても不思議ではないですよね。
ズル休みする原因を会社が作り出さないよう、普段から社員のメンタル状態を気にかけたり、社内環境に気を配ったりすることが求められます。
ズル休みかどうか見極めろ!よくある嘘の欠勤理由
企業側もズル休みしたくなるような職場環境にしないように努力する必要があることはすでにお伝えしましたが、企業がどれだけ環境改善に努めてもズル休みする社員は出てくるでしょう。
ズル休みする社員に対しては何らかの指導や処分をする必要がありますが、そもそもズル休みなのかどうかを見分けなければいけません。ここでは社員がズル休みをする際によく使う嘘の欠勤理由をご紹介していきます。
【ズル休みをする際に使われる欠勤理由の例】
・朝起きたら高熱で動けなくなっていた
・朝起きたらひどい頭痛がした
・昨夜から腹痛が酷くて動けない
・身内に不幸があった
・身内が突然倒れたので休みたい
・子供が急に熱を出してしまったので休みたい
このような理由がよくズル休みの時に使われています。ただし、これらの欠勤理由を言われたからと言って全てが嘘でズル休みという訳ではありません。今後の信頼関係のためにも根拠なく過度に疑ってかからないように気をつけましょう。
このような欠勤理由を言われてズル休みかもしれないと感じたら、次の章でご紹介するズル休みかどうかを見抜く方法で判断してみてください。
連休明けの欠勤がズル休みかどうか見抜く方法
連休明けに突然社員から言われた欠勤の理由が嘘っぽいな、ズル休みなのかな、と思っても、証拠もなく決めつけて問い正すことは避けましょう。
ズル休みのときに使われる嘘の欠勤理由は、本当にその理由で休まなければならない社員も多数いるため、ズル休みだと決めつけてしまうと社員と経営者の信頼関係があっという間に崩れてしまいます。
そこで、この章ではズル休みかどうかを見抜くためポイントを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
申告のタイミング
まずチェックすべきは申告してきたタイミングと内容です。当日の朝家を出るかどうかのタイミングになって突然申告してくる場合は、ズル休みの可能性が高いと言えます。
急な発熱や腹痛、頭痛は考えられますが、連休明けに体調不良になることはそうそう起こるものではないですし、まして身内の不幸は当日の朝までわからないことはほとんどあり得ないでしょう。
もしお葬式や法事などを理由に休むのであれば、事前に申告することが十分可能なはずですので、当日の朝に突然そのような理由で欠勤連絡をしてくる場合はズル休みの可能性が高いと言っていいでしょう。
欠勤理由の具体性
欠勤理由をやたらと具体的に説明してくる場合もズル休みの可能性があります。
ズル休みをしようとしている社員は、ズル休みだということがバレないように、必死で嘘に真実味を持たせようとしてきます。そのため、会社から聞かれてもいないのに欠勤の理由をやたらと詳しく説明してくることがあります。
電話口で長々と欠勤理由を申告してくる上に声はピンピンしているような場合は、ズル休みの可能性があると考えていいでしょう。
診断書を提出させる
体調不良を理由にした休みがズル休みかどうかを見抜く手っ取り早い方法としては、診断書を提出させるのが一番有効です。本当に体調が悪くて会社を休んでいるのであれば、病院に行かせて診察を受けさせても問題はありません。
欠勤連絡のときには深刻な病状を訴えていたのに、病院に行くように促し診断書の提出を求めてもはぐらかされるような場合は、仮病でズル休みだったと考えていいでしょう。
SNSをチェック
病欠や身内の不幸、子供の突然の体調不良などを理由に会社を休んでいるのがズル休みかどうかを見分ける方法として、会社を休んでいる社員のSNSSNSをチェックするという方法も有効です。
最近は、SNSSNSのアカウントを「非公開」にして、外部から閲覧できないようにしている人も多いですし、すぐに本人だとわからないような「裏アカウント」を持っている人も増えていますが、ズル休みに成功したと思っている社員は油断していることが多いですし、まさかSNSSNSを調べているとは思っていないので、ハッシュタグで「#ズル休み」などとつけて投稿していることがあります。また、ズル休みしている社員の友人のSNSSNSに「タグ付け」された写真がアップロードされているところからズル休みが発覚することも多いです。
ズル休みしているかもしれないと思われる社員のSNSSNSをくまなくチェックしたり、普段から社員の裏アカウントを調べておいたりすることで、ズル休みかどうかを見分けることができるでしょう。
何度もある場合は本格的な調査を
「ズル休みかも?」と思われるような突然の休み方を頻繁にしている社員の場合は、常習犯的にズル休みをしている可能性が高いため、本格的な調査を行うことも視野に入れたほうがいいでしょう。
怪しい社員の素行調査を行うことでズル休みしている証拠を掴むことができますので、処分を行う際に有効です。本格的な素行調査をする場合は、社内の人員では無理がありますので探偵などのプロに調査を依頼するといいでしょう。
ズル休みした社員を懲戒処分にすることは可能?
ここまでで、ズル休みしたことがある社員が多いことやズル休みに使われやすい嘘の理由などを見てきましたが、ズル休みは当然ながら会社側からしてみれば非常に大きな問題行為と考えることができます。
そこで、ズル休みした社員に対して懲戒処分することができるかどうか、できる場合はどのように判断すればいいのかを解説していきます。
あらかじめ社内規定が必要
ズル休みした社員に懲戒処分をするためには、あらかじめ社内規定を準備しておくことが必要になります。懲戒処分を行うことは社員に不利益をもたらすものであるため、社員側の予測可能性を確保するために、あらかじめ処分の種類や処分の事由を規定しておかなければならないのです。
ズル休みした社員に懲戒処分を行うかどうかを検討する前に、就業規則や雇用契約書を見直し、必要に応じて改定を行うようにしましょう。
虚偽申告であれば処分できる可能性あり
欠勤理由が虚偽であった場合は、非違行為に該当するため、懲戒処分を下すことができる可能性があります。
虚偽申告によってズル休みした場合や、正当な理由なしに会社を欠勤した場合は、会社の指揮命令に逆らう行為ととらえることができるため、職務専念義務に違反したことになりますので、違反の程度が酷ければ、懲戒処分を下すことが可能になります。
懲戒処分を行う場合は、処分を行った社員から不当であると反論されないよう、前もって欠勤理由が虚偽であるという証拠を押さえておくことが必要です。
社内秩序を乱したかが分かれ目
ズル休みが問題行為であることは明らかですが、実際に懲戒処分を下すことができるかどうかは、欠勤の悪質さと懲戒処分の重さのバランスによって判断されます。
懲戒処分ができるかどうかは、懲戒をすべき合理的な理由があり、その懲戒処分をすることが社会通念に照らして相当といえる程度のものである場合です。ズル休みしている時点で合理的な理由はあると言えますが、懲戒処分の相当性が認められるかどうかは、ズル休みという行為によって社内の秩序が乱されたかどうかがポイントになります。
懲戒処分を行うためには様々な事情を総合的に判断しなければならないため、懲戒処分を行うことが可能なのか、可能であればどの程度の懲戒処分とするのが適当なのかについては労働問題や企業法務に精通している弁護士に相談しながら決めるのが安心ですね。
処分内容は戒告や減給が可能
懲戒処分の内容を決定する際は、処分の種類が妥当かどうかを弁護士に相談して決めるのがベストですが、「解雇はできるのか?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
懲戒処分の種類には、戒告や減給、降格、出勤停止、解雇などがあり、懲戒解雇はその中でも最も重い処分となります。結論から言えば、ズル休みはさほど重大な違反行為とは言えませんので、懲戒解雇はほぼ不可能と考えておいたほうがいいでしょう。
ズル休みは職務怠慢行為と言えますので、戒告や減給処分などの比較的軽い処分を下すことが妥当と言えます。
まとめ|ズル休みする社員に対応するためには客観的な証拠が必要不可欠
今回は、連休明けに多くのビジネスパーソンに誘発されやすい「ズル休み」についてその本音やズル休みに使われやすい嘘の理由、ズル休み社員の嘘を見抜く方法、そして会社としてどのように対処していくべきかを解説してきました。
連休明けにズル休みしたことでズル休みが慢性化してしまう可能性もありますし、他の社員たちもマネしてズル休みが横行するリスクもありますので、できるだけ早めに対処することがベストです。
ズル休みする社員に対して適切に対処していくためには、「ズル休みである」ということを証明できる客観的な証拠が必要不可欠です。社員がズル休みしているかどうか、外出先でサボっていないかどうかの素行調査については企業調査を得意としている探偵に調査を依頼することをお勧めします。