会社にとって、社員がSNS上で誹謗中傷や会社のネガティブなことを書き込んでいたら、業績や評判に悪影響を及ぼされてしまうと不安になりますよね。

通常、誹謗中傷や嫌がらせの内容を書き込むときは、自分のアカウントではなく「裏アカウント」と呼ばれるアカウントを作成して誹謗中傷を書き込みます。

今回は、社員の裏アカウントを把握しておくことのメリットや素人の方でもできる裏アカウントを特定する方法、そして最近話題の裏アカウントを特定するサービスについてご紹介していきます。

SNSの裏アカウントとは

SNSの裏アカウントとは、「裏垢」とも表現されることもあり、主にTwitterやInstagramなどのSNSにおいてメインのアカウントではない秘密のアカウントのこととして用いられるネットスラングです。

裏垢(裏アカウント)を作る目的は人それぞれですが、最も多い理由としては「公にはしにくい、自分が投稿したとバレたくないような話題を投稿したいから」という人が多いです。 裏アカウントで会社の愚痴、上司の愚痴、夫の愚痴などを投稿する人が多いので、会社としては社員が裏アカウントで会社の愚痴や誹謗中傷を投稿していることはできるだけ避けたいですし、把握だけでもしておきたいはずです。

WEB面接の影響でSNS調査の需要が急増

社員が裏アカウントで会社の誹謗中傷を投稿してしまう問題はかなり前からあり、会社にいるときの顔とSNS上の顔が違っていて、「人柄の判断が難しい」「本当に信用できる人物かどうかわからない」という人事部や経営陣の意見がありました。

コロナの影響でWEB面接が主流になりつつある

さらに最近では、新型コロナウイルスの影響で面接がWEB面接になっている会社が増えてきているため、ますます人柄の判断や人物像の把握が難しくなってきています。

会社が人材を採用する際に、SNSのアカウントを調査しておきたいというニーズはもともとありましたが、WEB面接が主流になると、やはり対面での面接よりも人となりが伝わりにくく、人間性を掴みにくいという点もあるので、採用予定の人物のSNSでの振る舞いを(裏アカウントも含めて)把握したうえで採用を判断したいという企業がさらに増えているのでしょう。 また、裏アカウントだけでなく、これからのネット社会において、SNSを安全に使いこなせているかどうかも企業としては見ておきたいところですよね。

社員の裏アカウントを特定するサービスがある!?

そして、最近になって社員の裏アカウントを特定するサービスが話題に上がってきています。 株式会社 企業調査センターが2020年9月から開始した「Sトク」というサービスで企業に代わって採用候補者のSNSの裏アカウントを特定し、本人のネット上での素行などを企業へ報告するというものです。

ネット上の素行を知ることで、採用候補者のネットリテラシーのレベルも把握することができます。会社にとっては今後採用した後にネットリテラシーが低いような行動(社外秘の内容をSNSで投稿するなど)を取ってほしくないという希望があるのでこのようなサービスの需要が高まっているのです。

社員の裏アカウントを把握するメリット

社員の裏アカウントは、通常人事部や採用担当者がチェックして特定していますが、専門の業者に依頼する会社も増えてきています。 お金や労力をかけてまでも裏アカウントを把握するのにはどのようなメリットがあるのでしょう。

会社に対する誹謗中傷や炎上を未然に防げる

裏アカウントを持っている社員は、会社に対して不満を持っていたり、上司に対してイライラしたりしたときに、裏アカウントを使って愚痴や誹謗中傷を投稿する可能性が極めて高いです。

誹謗中傷や根も葉もない嫌がらせの内容を社名付きでSNSに投稿されてしまうと、それが炎上につながってしまうリスクもあります。 裏アカウントを把握して定期的に監視することで、炎上や風評被害の被害を未然に防ぐことが可能になります。

採用する候補者の本当の人柄がわかる

入社希望者はその会社に入りたい一心で自分のことをよく見せようと必死になります。そのこと自体は誰でもしますし、決してダメな事ではないのですが、問題のある人柄を把握できないことは大きなトラブルにつながります。

モラハラ気質を持っていたり、窃盗癖があったり、モンスター社員の気質があったりする人物を採用してしまうと、社内で問題を起こす可能性がかなり高いですし、かといって一度雇ってしまったら簡単に会社を辞めさせることは難しくなります。 採用予定の候補者が裏アカウントを持っているかどうか、持っているのであればどのような投稿をしているのかをチェックしておくことで、その人の本当の人柄や隠しきれない本性を見抜くことができるようになるでしょう。

社員たちの不満を知ることができる

裏アカウントで会社の不満や愚痴、誹謗中傷を書き込まれることは経営者として避けたいことですし、そのような投稿をする社員はもちろん問題ですが、中には会社の本質的な問題点について書き込まれていることもあります。

「残業代が払われないブラック企業だ」 「パワハラが横行している」 などは、もしそれが本当のことだった場合、会社としてきちんと対処していく必要があります。 社員から直接不満の声をすくえるような仕組み作りをするのも必要ですし、まずは裏アカウントからでも社員たちの抱える不満を知ることが重要です。裏アカウントに投稿されている社員たちの本音を知ることは労働環境の改善につなげることができるでしょう。

どうやったら社員の裏アカウントを特定できるのか

SNSの裏アカウントの特定ができるサービスが話題になっていることはすでにお伝えしましたが、他にも探偵や興信所もネットトラブルに強い業者であればそのようなサービスは行っています。

もちろん、専門業者に依頼したほうが質も高いですし、時間も労力もかかりませんが、「いきなりお金をかけて依頼するのはちょっと・・・」という会社もあるでしょう。 できることならば人事部だけで裏アカウントの特定をしたいという企業様のために、この章では素人でも挑戦できる裏アカウントの特定方法を一部ご紹介します。

ユーザー名から特定

一つ目はユーザー名を探し当てる方法です。履歴書や職務経歴書にメールアドレスを記載させる会社も多いと思いますが、そこに記載されたメールアドレスのユーザー名(@よりも前の文字列)を他のSNSで使い回している人は少なくありません。 社員や採用候補者の履歴書のメールアドレスを確認し、そのユーザー名で検索してみると案外裏アカウントを見つけることができる場合があります。

また、自分の氏名やニックネーム、生年月日などをユーザー名に使っている人は多く、裏アカウントでもそのようなユーザー名にしているケースがあります。

たとえば、1989年5月16日生まれの「もえこ」さんという社員がいるとすると、SNSのユーザー名を「moemoe0516」「moeko1989」など、氏名や生年月日に関連するものにしている人も多いため、総当たり的に検索してみると裏アカウントを見つけられる可能性があります。 また、これにWeb検索を組み合わせれば、より裏アカウントの特定の確率を上げることができます。

プロフィールや投稿から特定

ユーザー名だけでなく、プロフィールや投稿内容からも特定することが可能です。 SNSの表アカウントや、Facebookなどの実名でしか使えないSNSでは自分の本当の情報を公開しています。

そして裏アカウントにもその正しい情報をもとにしてプロフィールを書いている人も多いので、プロフィールから裏アカウントを特定することも可能なのです。

たとえば、普段使いのSNSで「東京/23歳/就活中/広告代理店希望/インターン中/バスケットボール/飲み歩き」のようなプロフィールを書いている人も多いですよね。このようなプロフィールを裏アカウントにも使い回している人は意外に多いのです。

また、投稿内容に関しても 「今日は最終面接で渋谷に行った」「最終面接で部長が出てきて、威圧的な態度で怖かった、マジ無理」「インターン4日目で最終日。●●の内容飽きてきた」「今日は大嫌いな本部長の送別会。やっとおさらばできるラッキー」などの日時が入っているような具体的な投稿から裏アカウントを特定することができるのです。

プロフィール画像や写真から特定

盲点ですが、プロフィール画像などの写真からも裏アカウントの特定が可能です。裏アカウントを含めた複数のSNSで同一アイコンを使い回している場合もありますし、通常アカウントで投稿している写真が裏アカウントで使われていることもありますので、画像検索から裏アカウントを特定することも可能なのです。

まとめ|社員によるSNSトラブルを防ぐためには専門家への相談がベスト

会社にとってSNSで誹謗中傷や嫌がらせを受けることは企業イメージが下がってしまったり業績悪化につながったりとリスクが大きすぎます。

そしてそのようなSNSトラブルは社内の人物が原因になっていることも多いため、しっかりと対策をすれば予防することができるのも事実です。 社員の裏アカウントの特定は、時間と労力をかければ人事部の方だけでも可能ではありますが、やはり精度と確実性を考えると、プロに依頼するのがベストです。

裏アカウントの特定については、ネットトラブルに精通している探偵や専門業者に相談するのがいいでしょう。無料相談を受け付けている場合もありますし、当事務所では裏アカウントの特定だけでなくSNSトラブル全般の相談を無料で受け付けていますので、まずはお気軽にご相談ください。